第4回TJN(つるが発次世代看護あり方研究会)勉強会 Report
日 時:2025年2月14日 18:30~20:30
テーマ:「敦賀を深堀りしてみる」
講 師
・石丸 裕江氏(敦賀市健康推進課 課長・健康センターはぴふる 所長)
・笹田みつぎ氏(敦賀市長寿健康課 課長・地域包括支援センター「長寿」 所長)
会 場:敦賀市立看護大学 第1会議室
参加者
内布、道重、北村、山崎加、佐々木、野々山、濱園、池原、新田、井上、伊部、岡本、鈴木、川口、池原知、野沢、野里、山崎(事務局)、高橋(事務局)、堀井(事務局)、西川(保健管理室)、横山(書記)、四方先生、敦賀医療センター(宮地看護部長、上薗副看護部長、西本師長)、林様(子育て支援事業きらきらくらぶ(NPO)センター長)、原田様(らぼうぇる敦賀相談支援専門員)、下辻様(敦賀市企画政策部政策推進課係長)
【石丸氏・笹田氏レクチャー】
敦賀市の医療や福祉、健康問題について地域の人々にアプローチしてこられた専門家として、「敦賀市の現状(高齢化率、出生数・死亡数の推移など)」、「敦賀市の介護保険の状況(要介護認定率の推移、新規要介護認定者介護要因など)」、「敦賀市の健康づくり;健康つるが21(健康増進計画策定時のアンケート調査から)・つるが安心お達者プラン9」、「現在敦賀市が取り組んでいること(地区での具体的な活動紹介など)」について、具体的に教えて頂いた。
主な講義内容とそのポイント
・敦賀市の現状(高齢化率、出生数・死亡数の推移など)
→総人口は減少傾向にあるものの、高齢化率は30%を越え(2024年)、増加傾向である。
→出生数は年々減少傾向である(今まで400人台で推移していたが、2024年度は300人台に突入した)。
→死亡率はコロナの影響なのか、令和4年で1.3倍増加した。
・敦賀市の介護保険の状況(要介護認定率の推移、新規要介護認定者介護要因など)
→要介護認定率は増加している。しかし、認定は受けられるが、サービスを利用せず、いざという時のために申請している人も多いことが予測される。その精査はできていない。
→新規要介護認定者介護要因については、認知症、関節疾患、新生物(多い順)とあまり年次での変化は見られない。
・敦賀市の健康づくり;健康つるが21(健康増進計画策定時のアンケート調査から)
→アンケート調査をもとに「健康つるが21」として分野別の行動目標を立て取り組んでいる。各分野は、「身体活動・運動」「栄養・食生活(食育の推進)」「歯・口腔の健康」「休養・睡眠」「たばこ」「アルコール」「健康管理」である。
→その中で重点施策を「身体活動・運動」とし、「こまめに歩こう +10分」を行っている。特に働き盛り世代は運動習慣のある人の割合が少なく、女性の46%が1日3000歩未満である。
→健康ステーションを開設し、測定や健康情報の発信を積極的に行っている。
→健康アプリ「敦とんあるこ」を導入しており、登録は7000人を超え、増えているが、現状は登録のみで、毎日アプリを開く人は少なく、利用は限定的である点が課題。
→この健康アプリの普及を目指し、地元企業とコラボレートし、情報発信を行っている。
(先日はアルプラザ敦賀と行った)
・現在敦賀市が取り組んでいること(地区での具体的な活動紹介など)
→地域の皆が集結して行う取り組みを行っている。
→第1層:地域支え合い推進員(生活支援コーディネーター)やサービス提供の主体となる団体が参加し情報共有や連携を行い、地域全体で高齢者の生活を支える体制づくりをすすめる
→第2層:地区単位で担当保健師を中心に第2層地域支え合い推進員を配置し、地域の支え合いを拡げる活動をしている
→敦賀市内で地区ごとに色々な活動を住民主体で行っている
(ダンベル体操教室、ささえあいカフェ、みんなでおさんぽの会、グランドゴルフなど)
【質疑応答】(一部抜粋)
・訪問看護ステーションは敦賀市では足りているのか?(需要と供給のバランスは?)
→敦賀市では訪問看護ステーションの事業所自体の増減があるが、必要となる人への訪問看護は足りているように思う(特に不足してはいないと思う)
→在宅で診療している医師の数は少ない→そのため訪問看護が不足していると在宅医療が成り立たないため、そういった成り立たないということはないため、そこそこ充足しているのではないかと思う
・保護者と小学生対象に食育教室をされているということで、内容としては健康問題をふま
えて、たとえば塩分とかのことなのか(敦賀市の健康問題にあわせているのか)、あるい
はライフスキルとして文科省がすすめているような食育のことなのか?
→ 塩分に特化したみたいな敦賀市の健康問題に特化した内容のものはやっていない
・実習で敦賀市内の街歩きみたいなことをやっているが、敦賀市の方から学生にこういうことをやってほしい等の希望はあるか?
→学生ならではの気づきを学生ならではの方法で発信することに期待している
・住民の活動を作っていく保健師の活動は素晴らしいと思う。何によって評価するのかが難しいが、説得力のある方法で形にできれば素晴らしい。
→要支援の認定割合を増やさないというのが現在の目標にしているが、他にも多くの要因があって、この活動が認定を増やさないことに影響していると言えるわけではない。
→例えば、エスノグラフィーという研究方法を用いれば、住民を変えた素晴らしい保健師活動の本質が見えてくる可能性がある。
→コホート調査によって、活動の恩恵を受けた人とそうでない人の健康度の違いを比較するという方法もある。
参考リンク
・敦賀市高齢者健康福祉計画・敦賀市第9期介護保険事業計画(つるが安心お達者プラン9)(敦賀市ホームページ)
・第4期敦賀市地域福祉計画「福祉つるが ぬくもりプラン」(敦賀市ホームページ)